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自助努力の重みはどんな時代でも。(1月号から3月号まで) | 2011年 (平成23年)へ |
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できることを、できるうちに。(4月号から6月号まで) | |||
できる自助努力を、できるうちに。(7月号から9月号まで) | |||
自助努力は最も有効な自衛策。(10月号から12月号まで) |
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私たちは、これまでに経験したことのない未知の領域へ踏み出していきます。 1929年の世界恐慌以来と言われた世界的な経済危機は、悲劇的な状況までには至りませんでしたが、じわりとしたダメージを人々の暮らしに及ぼしてきたようです。2010年の社会が今後どのように進んでいくかはわかりませんが、少なくとも一気に好転することを期待するのは困難でしょう。加えて、長寿化の一方少子化が急速に進む中、今年は戦後生まれの人々が高齢者となっていく年であり、5年後にはわが国の高齢者数は最高に達するという「未知の領域」、新たな状況が始まります。 考えてみれば先端技術や情報が高度に発達した今日の世界の姿は、40年、50年前は簡単には想像できなかった未知の領域でした。また、環境、エネルギー問題が現在のように地球的な議論になることもまた、未知の領域の課題なのでしょう。歴史から見ればいつでも未来はほとんど未知ですが、今問題なのは、その変化があまりにも激しく不安要素が多すぎることです。 私たちがこれまで当然と思ってきたこと、常識としてきたことのかなりのものが急速に通用しなくなっていき、一つひとつ早急に点検しながら、未だ経験したことのない変化の中を歩んで行かなければならないのかも知れません。 それでも、どんな時代でも「自助努力」の重みは変わりません。 人間が追い求めてきたものは人々の幸福、社会の安定や豊かさでした。激動の時代もありましたがそれを乗り越えてきました。きっと未知の未来にも、人間の叡智は何らかの解決策を見出すでしょう。しかしその前提には自らを守ることがあります。己を守れずに他者を救うことは困難です。 安定した時代の社会保障はともに安らぎを得られますが、厳しい時代には皆ともに厳しさを分かち合うことになります。その状況下でも自分を守る手立てがもしあるとしたら、ぜひそれを実行していただきたいと思います。国民年金基金制度は、今実行できる自助努力の有効な一つの方法です。 2009年度より、加入の必須条件である1口目の年金額が2万円に、それに伴い掛金額が下がり、従来に比べて加入しやすくなりました。これに2口目を付加することで、以前と同じ月額3万円の年金を設計することができます。掛金額は全体に改訂され僅かに引き上げられましたが、2口目を付加した上で比較してみると、若干の掛金額アップにとどまっています。 さらに、Ⅳ型とⅤ型が新たに加えられていますので、年金設計の自由度はかなり高くなりました。中途でも増口・減口ができる仕組みと合わせて、今自分ができる自助努力のレベルを加減することができます。特にⅤ型は、老齢年金の支給開始が65歳まで繰り下げられたことによる空白期間(厚生年金の報酬比例部分もやがて同様に繰り下げられていきます)を補う意味もあります。 未知の未来へ踏み出すために、ぜひ真剣にご検討いただきたいと思います。 |
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60歳を迎えたとき“想定外”であったことについて、実際の例をお読みいただきたいと思います。 国民年金基金の2009年改定で、2口目以降に組み合わせるタイプに、「Ⅳ型=60歳〜70歳に受給。その10年間を保証する確定年金」と「Ⅴ型=60歳〜65歳に受給。その5年間を保証する確定年金」が加わっています。 「Ⅴ型」は期間が短いこともあって、あまり注意を払われていないように感じています。しかしこの60歳〜65歳の5年という期間はかなり大きな意味をもっています。今回は、それを実際に感じておられる方の体験をお読みいただきたいと思います。 Tさんは昭和25年(1950年)生まれ。リスクの長期的対策を考える性格でしたので、子育て中のサラリーマン時代(1970〜80年代)には生命保険に疾病・災害特約をつけて加入、1980年代末に退職・独立し、その数年後には国民年金基金に加入しています。「60歳までは死亡のリスク対策、60歳以降は老後対策」という慎重なプラニングだったのですが、残念ながら誤算がありました。 それは、2001年からの「厚生年金の支給開始の繰り下げ」でした。“少子高齢社会の急速な進行”によるもので、ほとんど予測不可能なものでした。 厚生年金は基礎部分と報酬比例部分の組み合わせで、60歳から65歳まではこれが「特別支給」され、65歳になると老齢基礎+老齢厚生年金になります。2001年からは特別支給の基礎部分の繰り下げが始まりました。これは昭和16年生まれの男性から段階的に適用されています。次いで報酬比例部分の支給も昭和28年生まれの男性から段階的に繰り下げ、女性は男性から5年ずつずらして適用され、昭和41年生まれの女性ですべての繰り下げが完了します。 Tさんは今年60歳を迎えます。老齢基礎年金と国民年金基金の受給は65歳まで待たなければなりません。幸い厚生年金の報酬比例部分は今年から受給できますが、若いころの給料額が元になるので、加入期間から大づかみに想定していた額より低いものになりそうです。 しかしここにもう一つ落とし穴がありました。それは生命保険の満期が、加入当時は当たり前の60歳だったのでした。また病気対策も課題で、疾病特約は継続できますが入院初日から保険金が支払われる商品は当時はなく、現在の健康状況では新規加入も思うようにできず、これから5年間の予定収入の減少と保障の空白期間を恨めしく感じています。 Tさんはまだ報酬比例部分の特別支給を受けられる人ですが、自分はかなり慎重に想定してきたつもりなのにこの有様。これから数年間、60歳に達していくかなりの人たちが自分が置かれた状況に愕然とするだろう、と心配していました。Tさんは基金加入員である奥さんにⅤ型を増口させようかと考えていたそうですが、今年4月からⅣ型・Ⅴ型は50歳以上は加入できなくなってしまいました。 「今は、社会がこうなれば、時代がこう変わればと思索している状況ではない。できることをできるうちにやっておかなければ……」と語っていたことが印象的でした。 小さな紙面では新Ⅳ型・Ⅴ型などの加入条件と設計計算、さらに「老齢基礎年金=国民年金の繰上げ(繰り下げ)受給」などを詳しくご説明することはなかなか難しいので、詳細はいつでも司法書士国民年金にお問い合わせください。 |
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「新しいタイプの独居高齢者」が増えているようです。 最近、都市近郊のベッドタウンで、高齢者・高齢者予備群の夫婦が二人、あるいは一人だけで住む家が増えていることに気付きました。独居高齢者の問題はこれまでも何度か報じられてきましが、もう少し前の世代の、主に身寄りがない人の話題でした。しかし今度は、昭和10年代後半〜20年代生まれの人々のケースで、従来とは少し違うことを実感しています。 今年は戦後生まれの人が65歳になり、高齢者に加わってきます。この人たちは高度経済成長期に新しい社会観や家族観で青春時代を過ごし、ニューファミリー世代とも呼ばれました。自分たちの親と同居せず子供たちにも独立を促し、やがて夫婦だけが残りました。歳を重ねても、自分たちより上の世代の人たちに比べてかなり元気でした。 しかし二人とも健康な壮年期までは何の問題も感じなかったのに、配偶者が亡くなる、配偶者が病気で長期入院、あるいは施設に入所するなど、身寄りがあるのに独居状態になっていくという状況に直面しつつあります。 モダンな住宅街の一戸建てマイホームに高齢者がひとりで住んでいる、それが狭い地域に何軒も……かつては想像しなかった光景が、今、次第に拡大しています。 これらの方々の多くは、高度経済成長期の給与生活者の側面を持っていました。厚生年金等が充実した時代でしたから、老後の暮らしは経済的には安定しているようです。しかし、若い頃には実感がなかった問題にこうして向き合わざるを得なくなっています。 “生涯現役”と“現役のうちに生涯を考える” 自由職能の方々には“生涯現役”という意識が広く行き渡っていました。それは専ら、定年がないから生涯働き続けられるという意味でした。最近は、長寿化や超高齢社会の進展で年金意識等が高まるにつれ徐々に変化し、元気に生涯現役で様々な活動を続ける、という意味合いが強くなってきたようです。しかし老後の社会保障に関しては、上記の給与生活者だった人々に比べ、自由職能の人々にはかなりのビハインドがあります。従って長寿になればなるほど老後のリスクは大きくなると言えるでしょう。 「若いうちに準備を始め、生涯受給する公的な年金」である司法書士国民年金基金は、早期に自助努力を始めることの大切さを訴えてきました。今では、“生涯現役”を鏡に映したら「現役のうちに生涯を考える」という言葉が浮かんでくるように思えます。 国民年金基金制度は、国民年金だけの方々にも2階部分を設けて、厚生年金と同じような安定した老後を実現する制度として誕生しました。 しかし経済状況や雇用情勢の悪化で被用者年金等が困難な状況になっている現在、国民年金基金制度が、自己決定できる、自助努力で自分の老後を守るための優れた仕組み、と評価されるのは、不思議な“配剤”であったように思います。 |
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フランスの年金事情の悪化は他人事ではありません。 フランスでは年金の支給開始年齢を遅らせる法改正を巡り、110万人を超えるデモが行われました。困難な世界経済の下、年金事情悪化の波紋がさらに広がらないよう願っています。 主な国々の公的年金は社会保障制度で、「世代間扶養」、即ち若者〜壮年の現役世代が高齢者世代を支える“仕送り”の仕組みになっています。これは単に一方的な仕送りではなく、年金保険料を納めた度合い(=貢献の度合い)によって、自分が将来受け取る年金額が変化します。日本の場合は、基礎年金に加え、サラリーマンや公務員等は被用者保険に加入し給与額に応じた保険料を納め、その金額と期間で土台部分・上乗せ部分の年金額が決まります。 しかし、現役世代が様々な事情で保険料を納められなかったら、自分が老後に受ける年金が減るだけでなく、現在の高齢者に仕送りすべき財源が不足してしまいます。フランスのケースは、かなり高額な社会保障の保険料を納めてきたのに、自分たちが年金を受け取る段になったら財源不足を理由に減らされる、という不満が底辺にあるように見えます。 厳しい経済状況の下、超少子高齢社会は進んでいきます。 日本においてはこれからの5年で高齢者数がピークに達し、さらに超少子高齢社会が進みます。若者世代は少数になっているにもかかわらず雇用情勢は厳しく、派遣や契約社員からの正社員化も進んでいないようです。加えて30歳代の引きこもりやニートの増加も深刻です。年金の支給と保険料収入・運用のバランスは大変重要で、厳しい経済状況下での超少子高齢社会の年金制度は、当分の間かなり難しい課題を抱えていくことになるでしょう。 このような状況だからこそぜひお考えいただきたいのは、「自助努力」です。これが現段階では最も有効な自衛策であろうと思います。自助努力を重ね今は国民年金基金の受給者となり、「先々の不安感がかなり軽減した」と言われる方が現実にいらっしゃいます。 やがて困難な経済状況や少子高齢化が克服されるときが来ます。そのときまで自分自身の力で、できる範囲で、老後の対策を講じておくことが極めて重要であると考えます。 「自助努力」の国民年金基金制度の特色 ★特色1……掛けるとき、受けるときのダブル節税。 掛金は全額が社会保険料控除(限度額は年81万6千円)になり、 受給する年金は公的年金控除が受けられます。 ★特色2……増減口が自在なフレキシブル設計。 国民年金基金ならではの自由度の高さで、いつでも増減口の設計変更が可能です。 ★特色3……万一の場合でも保証期間。 保証付きタイプなら、万一のことがあっても、遺族一時金が支給されます。 ★特色4……地域型国民年金基金への継続も可能。 職能型の加入資格がなくなっても地域型に継続でき、補助者や職員も安心です。 |
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