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波乱の中でこそ大きな自助努力の意義(1月号から3月号まで) | 2010年 (平成22年)へ |
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自助努力で、未来を守る。(4月号から6月号まで) | |||
もう一度考えたい自助努力の意義(7月号から9月号まで) | |||
自助努力の重さは変わりません。(10月号から12月号まで) |
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波乱の中、それでも人々の暮らしは続いていきます。 サブプライムローンの破綻に始まったアメリカの金融不安は、瞬く間に世界中に広がり、ほとんどの人が想像もしなかったような状況へと拡大しつつあります。わが国でも2008年末から2009年にかけて労働者の解雇や生産調整等が相次ぎ、社会不安は日増しに膨らんでいます。 職を失う人の増加は当然消費市場に悪影響を及ぼし、下降のスパイラルはさまざまな混乱の連鎖を生みます。そして社会保障システムへの波及も見逃すことができません。労働保険の支出等にとどまらず、健康保険や被用者年金の財政収入に大きな影響を与えます。生活に直結する年金、医療、介護などの分野に、すでに実行されている1兆1千億円の社会保障費削減と合わせてダブルパンチとなりそうです。そして高齢社会はそのような状況と関係なく進行し、波乱の中でも人々の暮らしは続いていきます。 しかし、90年前の世界恐慌も20世紀の二つの大戦も、世界の終わりではありませんでした。21世紀の今、人々の知恵と高度な情報網でこの状況を乗り切っていかなければならないと思います。 社会保障システムに関しては、運営にまつわるさまざまな不祥事・不正・不実を厳格に正しきちんと解決し、改めて社会がなすべきこと・なせることと自分がなせることを冷静に分析し、できることから手を着けていくことが必要であり、それが最善の道であると思います。 国民年金基金の意味を見直してください。大きな防波堤となるはずです。 司法書士国民年金基金の加入員(累積)は6000人を超えました。発足以来17年間でおよそ2倍に達しています。近年では若い方の加入も増え、年金意識の浸透とともに“自分ができること”の重要性をご理解いただけたものと感謝しております。 現在のような状況だからこそ、国民年金基金は“自助努力”による大きな防波堤となるはずです。もう一度国民年金基金制度の特色をご確認いただきたいと思います。 司法書士国民年金基金の特色 ★特色1……掛けるとき、受けるときのダブル節税。 掛金は全額が社会保険料控除(限度額は年81万6千円)になり、 受給する年金は公的年金控除が受けられます。 ★特色2……増減口が自在なフレキシブル設計。 国民年金基金ならではの自由度の高さで、いつでも増減口の設計変更が可能です。 ★特色3……万一の場合でも保証期間。 保証付きタイプなら、万一のことがあっても、遺族一時金が支給されます。 ★特色4……地域型国民年金基金への継続も可能。 職能型の加入資格がなくなっても地域型に継続でき、補助者や職員も安心です。 現在、基金の財政再計算が行われていますが、予定死亡率や運用実績等の変化により、2009年度から加入できる型や掛金額の改訂が予想されます。これについては逐次お知らせしてまいりますが、変更前に加入された方がよりベターであろうと推測されます。いずれにしても加入は早ければ早いほど掛金対受給額の効果も大きくなりますので、早速ご相談いただきたいと思います。 |
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加入できる型の改訂で、年金設計の自由度が高くなりました。 国民年金基金の財政再計算の結果、予定死亡率や運用実績等の変化により、加入できる型や掛金額が2009年度から改訂されました。 今回の改訂では、予定利率は据え置かれているのですが、予定死亡率の変化、すなわち長寿化が進んでいく=終身年金の受給期間がさらに伸びていくと推定されることにより、掛金額が見直されました。なお、加入できる型の改訂の主要点は次の2つです。 ① 基本の1口目の年金額が2万円(加入時年齢が35歳0月までの場合)、1.5万円(加入時年齢が35歳1月〜45歳0月までの場合)となりました。 ② 2口目以降の確定年金にⅣ型(60歳〜70歳まで受給)、Ⅴ型(60歳〜65歳まで受給)が新設されました。 これにより、加入の必須条件である1口目の掛金額が安くなり、加入しやすくなりました。ただし2口目を付加することで、これまでと同じ3万円の年金額を設計することができます。掛金額は総合的に改訂され若干の引き上げになりましたが、上記の方法でも若干の掛金額アップにとどまります。 また、Ⅳ型とⅤ型の追加も合わせて、状況に合わせた年金設計の自由度が高くなりました。もちろん増口・減口が任意でできるシステムは従来と変わりません Ⅴ型は、老齢年金の支給開始が65歳まで繰り下げられたことによる空白期間(厚生年金の報酬比例部分もやがて同様に繰り下げられていきます)を補う意味でも、メリットがあります。 厳しい現実を乗り切って未来へ繋いでいくための、役に立てると信じています。 今回の改訂は主に長寿化が要因となっています。しかし、一方の少子化対策は先が見えてきません。少子高齢社会は当分の間さらに進行していくと考えられます。 「経済状況は短期的に好転することもあるが、少子化の改善には相当な時間がかかる」と何度も述べてきましたが、この世界的経済危機の下では経済状況の好転はおろか、少子化にさらに拍車がかかってしまうおそれさえ出てきました。 自助努力の意義は、苦しい状況にあっても自分でできることは自分で行うことにより、将来の自分の安定を確保することにありましたが、現在は次のステップに進まざるを得ないような状況にあるのかも知れません。 それは、自助努力の結果=基金の年金受給で確保できる余裕(ある種の隙間)を、次の若い世代のために空けておくことが、社会の未来を守ることに通じるのではないかということです。次の若い世代は、将来受給する年金などに対する不安だけでなく、高齢者のための社会保障負担、目前の就職やその他の活動に暗雲が垂れ込めています。現在彼らが受けている心理的なダメージは相当大きなものでしょう。彼らのモチベーションが低下すれば、社会の未来は描けません。 かつてはよく耳にした「生涯現役」という言葉は、今日ではあまり聞かれなくなりました。状況が良好でさまざまな活動が活況を呈している時代には、この言葉は生き生きとした響きを持っていましたが、現在のような状況下では、勝者と敗者を隔てるようなイメージさえ与えてしまいます。 人と人が、老人と若者が、強いものと弱いものが……、互いに思い合い分かち合って生きることが、厳しい現実を乗り切って未来へ繋いでいかなければならない今、大切なことではないでしょうか。国民年金基金は、きっとそのためのお役に立てると信じています。 |
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自助努力を続けている人がたくさんいることを世の中はもっと知って欲しいと思います。 最近の報道では、公的年金の負担と受給のバランスの世代間格差が広がり、1940年生まれの標準世帯の厚生年金の受給額は納めた保険料の6.5倍、1945年生まれの場合は4.7倍、1950年生まれの場合は3.9倍、1980年生まれ以降は2.3倍となる(世代間格差に関する推計等の試算、厚生労働省が社会保障審議会年金部会に報告)といいます。 また、国民年金の保険料納付率は3年連続で低下し、昨年度は62%前後(政府の目標は80%)と過去最低であった、とも報じられています。 ただ、前者の報道ではその原因、つまり世代構成の変化が止まらない=高齢者が急増し若年者が著しく減少していく状況が十分に説明されていませんし、後者では、62%とは自分で保険料を納める第1号被保険者のうちの納付率であって、未納・未加入率の約38%が公的年金の全加入者=国民年金の1号〜3号全体の6%前後にあたることは説明されていません。 公的年金の将来を案ずるのは当然のことです。しかし数値の報道が一人歩きすることで冷静さを欠き、若者の年金不信を煽るようなことにはなって欲しくないと心配します。将来が不安定ならばどうすれば対処できるのか、自由なアイデアで良いから提示してもらえたらと願ってしまいます。 国民年金基金制度は第1号で保険料を納めている人だけが加入できる制度です。所得に比例して事業主と折半で保険料を納める被用者年金と違い、定額保険料の納付月数に応じた定額の基礎年金の上に、「自助努力」で上乗せする公的な年金制度です。 これは、立法や行政、経済、マスコミなどの様々な分野で現在議論されている「最低保障+所得比例」、あるいは「最低保障+自助努力」などのアイデアを、すでに18年前から実現している先行モデルではないかと思えます。たくさんの人々が地域型や職能型に加入して自助努力を重ねているのに、そのような実情はほとんど報じられていないことをとても残念に思います。 自助努力は次の世代の負担を軽減することができます。 2009年度の国民年金基金の改訂は、ますます長寿化が進む=終身年金の受給期間がさらに伸びていくと推定されることにより、掛金額が見直されました。掛金率は改訂前より少しアップしていますが予定利率は据え置かれています。 主な内容は、1口目の年金額が2万円(加入時年齢が35歳0月までの場合)、1.5万円(加入時年齢が35歳1月〜45歳0月までの場合)となったこと、2口目以降の確定年金にⅣ型(60歳〜70歳まで受給)、Ⅴ型(60歳〜65歳まで受給)が新設されたことなどですが、詳しくは司法書士年金パンフレットの2009年版に掲載しておりますので、ご希望いただければお送り申し上げます。 型が増えてやや細分化されたきらいもありますが、これまでより加入しやすくなり、ご自身の状況の変化に合わせて増口・減口しながら老後を設計できる自由度は、さらに高くなりました。 国民年金基金が「少子高齢社会に比較的強い」と評されてきた所以は、ひとえに加入者の方々の自助努力の積み重ねにあります。しかし、自助努力とはただ自分を助けるだけではなく、その結果生じる余裕を次の世代のために空け、若者たちに過大な負担をかけないことを可能にします。 公的年金の世代間扶養は若者が高齢者を助けるのに対し、自助努力は若者世代の負担を軽減する……「自助努力」にはこのような意義もあることを、もう一度考えてみたいと思います。 |
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年金改革の下でも、少子化の進行が自助努力システムの有用性を拡大するでしょう。 新たな政権の発足により、公的年金制度も新たな改革の一歩を踏み出すことと思われます。具体的には進捗状況を見守らなければなりませんが、これまでの保険制度では対処が難しかった未加入・未納、無年金者の発生などに、より社会保障的な政策への転換によって対策が講じられると予想されます。長期間にわたって少しずつ進められてきた一元化にも新たな動きがあることでしょう。 長い間には、国民共通の土台に上乗せされる国民年金基金制度にも何らかの改定や変更が加えられることも考えられますが、自助努力の意義の重さは変わらず、むしろこのようなシステムの有用性が一層拡大するかも知れません。そのように考えられる要因の一つに、一向に改善の動きが見えない「少子化」があります。 少子化の改善には社会意識の変革も必要であろうと思います。 世界的な経済不安は少子化対策にも大きな障害となっています。これまでの少子化対策ではストレートに「安心して子供を産み育てられる社会の実現」とされてきましたが、それは雇用、育児支援、経済的支援といった施策を導き出しています。即ち経済状況がそれらの前提です。世論調査では「教育費負担が大きくて子供が持てない」という声にスポットが当てられ、また「収入格差が教育格差を生み出す」という調査もあり、教育、養育の費用という経済要素がクローズアップされています。 しかし一歩街に出ると、不況時においても、2、3歳児と思われる集団がそれぞれの母親に手を引かれ○○教室の建物に出入りしています。夕方から夜にかけては親が運転すると思われる自動車で○○スクールに児童生徒が続々と集合します。このような光景を日常的に目にすると、「教育費」というのはこういう現象をも含んでいるのであろうと解釈せざるを得ず、奇妙なアンバランス感を覚えます。教育関連事業の市場拡大活動や親の切迫感を批評するわけではありませんが、経済至上主義的なわが国のこれまでの歩みを振り返ると、この一例をとっても、経済状況が好転したらこの教育関連市場の拡大に一層拍車がかけられるのではないか、という疑問が生じます。 すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する(日本国憲法第25条)…の「最低限度」も、幸福を追求する権利の「幸福」も、その尺度はまちまちで、上記の観察もいささかメンタルなテーマかつ推測の域を出ない問題ですが、オピニオンリーダーである皆様にこのような事柄についても一緒にご検討いただけると、社会意識が徐々に変革され、それが今後の少子化対策の一助となるのではないかという期待を抱いております。 少子化によるマイナスの連鎖を終わらせるために 社会保障的な政策転換が進められれば、公的年金における世代間扶養の仕組みは、社会全体が高齢者世代を扶養する仕組みへと舵を切る可能性があります。しかし現実に長寿化=超高齢社会は進行しています。若者世代は大きな社会的負担感を感じながら、その不安を次の世代に順送りしていきます。このマイナスの連鎖がどこで終了するかは今の段階では不明です。 年金制度が変わっても、「自助努力」が若者世代、その次の世代を圧迫しない行動であることは変わらないのですから、自助努力を行う人々が増えていけば、マイナスの連鎖を終わらせる日の到来はそれだけ早められるとも言えます。これが国民年金基金制度の趣旨を超えるものであったとしても、そうありたいと念願しつつ、基金への加入のご検討をお願いする次第です。 |
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