2003年 (平成15年)へ |
平成16年4月から掛金額が改訂されます。(1月号から3月号まで) | 2005年 (平成17年)へ |
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司法書士年金でご自身の未来図を描いてください。(4月号から6月号まで) | |||
少子化を正面から見据えて、着実な自衛策を。(7月号から9月号まで) | |||
司法書士年金でご自身の未来図を描いてください。(10月号から12月号まで) |
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●予定利率は1.75%に。掛金と給付の年齢区分も大幅に変わります。 国民年金基金連合会では、日本の経済情勢や今後の制度の成熟度見通し等を考慮し、国民年金基金の財政再計算を今年度中に行い、掛金と給付の仕組みの大幅な見直しを図り、来る平成16年4月から改訂する予定になりました。 予定利率は現行の3.0%から1.75%に引き下げられ、これに基づいて新しい掛金額に改訂されます。掛金額のアップ率は、35歳を例にとると、男性が41%増、女性は56%増となります。 掛金額のアップに伴い、掛金と給付の年齢区分も大きく改められます。国民年金基金のシステムでは、ご承知のとおり、高い年齢での加入でも掛金が高額になるのを防ぎ、月68,000円の加入限度額の範囲で2口目以降の組み合わせの自由度を確保するため、基本の年金月額が加入時年齢によって3万円、2万円、1万円(55歳1月から60歳までは加入月数で算出)に区分されています。来年度の改訂では、この区分が次のように改められます。 年金月額 3万円 20歳〜35歳0月の加入者 年金月額 2万円 35歳1月〜45歳0月の加入者 (現行=45歳1月〜) 年金月額 1万円 45歳1月〜50歳0月の加入者 (現行=50歳1月〜) かつて、さまざまな年金に関する一つの分岐点が40歳前後と言われてきましたが、今回の改訂によって、35歳がひとつのターニング・ポイントとなってくるとも言えるでしょう。若いうちから将来設計をすることの重要性が、ますます高くなりそうです。 ●掛金額:受給額の比率も変化します。 司法書士年金の現行のシステムでは、35歳で加入した男性を例にとると、加入時から満60歳に達するまで約356万円の掛金を払い込み、およそ9.9年で元本に相当する年金を受給します。しかし平成16年4月以降の35歳加入者の場合は、満60歳までに約500万円の掛金を払い込むことになり、元本相当を受給するのには約13.9年を要することとなります。 もちろんそれ以降は終身受給できますし、保証付きのA型の場合は、払い込み期間や据え置き期間の長短によって多少の差はありますが、80歳までに受給することになっていた年金に相当する額を受給できる、という基本的な制度の仕組みに変更はありません。しかし、現行システム・現行掛金での早めの加入が有利であることは言うまでもないでしょう。 連日マスコミを賑わせている年金制度の論議は、歯止めがかからない少子高齢化にくわえ経済状況の回復の見通しが不透明、というダブルの重圧によるものです。でもそれは主に賦課方式の年金制度の問題で、自助努力・積立型の国民年金基金は、もっぱら金融経済市場の動向に大きく影響されています。市場の回復は、少しずつではありますが見えてきました。その傾向が次第に確かなものとなっていくのも、そう遠い将来のことではないと考えます。それまでは、今回の改訂を残念としながらも、地道な自助努力を着実に進めていくしかないように思えます。 |
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●相互扶助の恩恵を十分には受けられない時代が来ます。 「長寿化により高齢者が増える」「出生率が低下し続けている」という要因が公的年金制度に重くのしかかっていることは、何度もお知らせしてきました。しかし、さらに「経済が低迷を続けている」「若者が就職できず、パート労働やフリーターが増えている」等の大きな問題があります。 ただ、冷静に考えれば、後者は前者に比べて遥かに短期的に解決しなければならない課題です。このまま経済の低迷が続けば、日本社会そのものが土台から揺らいでしまいます。敢えて語弊を承知で言えば、年金の話どころではないという状況に至ります。 現在、若者(フリーターや無職)を中心に国民年金未納者が増えています。「だから年金の将来は不安なのだ」と単純に言い切る前に、就職できない、あるいは就労できない若者が増えた社会の10年後、20年後の状況を想像していただきたいと思います。熟練労働者や中堅管理者が不在の"空洞化" の未来が訪れるのです。オピニオン・リーダーである司法書士界の方々には、そのような未来の到来を防ぐため、そして特権・権益を排した公正で公平なシステムを確立するために、ぜひ社会への提言・助言を拡大していただきたいと願っています。そしてこれらが徐々に改善され、軌道に乗れば、社会保障や福祉の将来展望も再び徐々に開けてくると思います。 幸い、最近ようやく経済の回復の兆しが見えてきたように報じられています。しかし短期的な経済の問題や社会意識を改善したとしても、少子高齢社会は一朝一夕には改善できません。出生率が急に上昇しても、その子たちが成長するまでに20年以上もかかってしまうからです。「世代間扶養」の仕組みによる公的年金制度にとって、現在の日本はかなり厳しい状況で、20年、30年後の高齢者、すなわち現在の中年〜若年層の世代には、相互扶助の恩恵を十分には受けられない時代が、残念ながら、間違いなく到来します。 ●困難な状況を乗り切る「自助努力・積立方式」の国民年金基金 だから今、「自分で掛けたものを積み立て、将来の受給に充てる=確定給付」方式の国民年金基金の重要度が再認識されているのです。任意で加入し、将来の受給額を設定して掛金を決定する国民年金基金は、相互扶助のような未来の不確定要素がほとんどありません。確定給付型年金は、加入時年齢が若ければ若いほど有利です。2口目以降の増口・減口は随時行える極めて自由度の高い制度ですから、まず「基本の1口目に加入する」という、できるだけ早期の決断が重要です。周囲の人々が逆風の中に甘んじたとしても、あなたの未来はあなたのものなのですから、ぜひご自身の冷静な判断で、ご自身の手で設計されることをお勧めします。 ●国民年金基金は2004年4月1日から掛金等が改訂されました。 国民年金基金制度は、経済情勢や制度の成熟度見通し等を考慮し財政再計算を行い、掛金と給付の仕組みの大幅な見直しを図った結果、2004年4月1日から掛金と年金受給に関する年齢区分等を改訂しました。予定利率を1.75%に引き下げて新しい掛金額を定め、そのアップ率は、35歳を例にとると、男性が41%増、女性は56%増となっています。 今回の改訂は、現在までの経済状況の推移から導き出された結論ですから、前記のような問題が一つずつ克服されていけば、再び良い方向に向かって改訂されるでしょう。しかし「自助努力」は、一日でも早く着手するのが有利であることは言うまでもありません。ご自身の未来を検討し設計されることは、日本社会の未来を設計することでもあるのだと思います。 |
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● 出生率1.29ショックを冷静に受け止めるところから始めましょう。 このコーナーで、1人の女性が一生の間に産む子供の数の平均=合計特殊出生率が1.4を割り込んだことをお知らせしたのは、3年前のことでしたが、2003年にはついに1.3、大都市東京ではなんと1.0をも割り込んでしまいました。そしてこれは、私たちの社会がもはや「年金」にとどまらない極めて深刻な課題を抱えてしまったことを意味します。先進諸国の中で最も少子化が激しい日本は、同時に世界有数の長寿国。世代構成のアンバランスは予想以上の速さで進行し、やがて経済、社会、文化など全般に大きな影響を及ぼすことが懸念されているのです。 国会では年金法が改正され負担と受給の調整が決定されました。負担増の実感はまだないでしょうが、じわじわと現実になっていくでしょう。そして少子化は、かりに2004年に底を打ったとしても、出生の激増でもない限り世代構成のバランスを取り戻すには、数十年を要するでしょう。 巷では「年金不信」が声高に叫ばれますが、冷静さを欠いた情緒的な反応は事態をさらに悪化させるだけだと思います。個々人の課題としては、経済状況が回復しても少子化はすぐには改善できないということを前提に、着実な自衛策を考えるべき時ではないでしょうか。自助努力・積立方式の「国民年金基金」がこの自衛策として大きな力を持っていることは、これまでにも繰り返し述べてきましたが、それがさらに緊急性を帯びてきたことも痛感しています。 ● 「年金不信」だけでは何も解決されません。 年金に対する不信感は今や、医療保険や介護保険、障害を持つ人への支援費制度など、社会保障や福祉等の制度全般に拡大する気配を見せています。しかし状況が悪化したからといって、日本社会が営々と築いてきた社会保障や福祉の崇高な理念を、簡単に放棄してしまって良いものなのでしょうか。この不信感は、社会保障の理念や制度の不備からくるものではなく、それを運用するシステムに主たる原因があったからと捉えるべきではないでしょうか。 今回の年金改革では、当事者であるべき国民年金被保険者や厚生年金等の加入者が埒外に置かれたまま立案や議論が進められ、不正の疑念や不公平感は解明・解消されずに法改正がなされています。さらに、国民年金の未納を「わかりにくい制度」のせいだと責任転嫁したり、「任意加入」の意味を曲解したり、制度の見直しの基礎となる出生率の最新データが事後公表されるなど、社会保障の負担−給付の本質とは異なる部分でも、国民の不信と不安を増大させています。しかしこれでさらに多くの人々が年金不信に陥れば、事態はますます悪くなるばかりです。 今必要なのは、バランスに優れたリーガル・マインドや適正な市場的感覚を出し合って、一方に偏らず不公平や特権を廃した社会保障制度として、復旧させることであろうと思います。そしてこれが軌道に乗るまでは、着実な自助努力によって自衛を図ることが大事であると考えます。 このたびの基金掛金の改訂に際しては、改訂前のみならず4月以降も、着実に司法書士年金の加入者が増えています。特筆すべきことは、20代、30代の方々の加入や増口が増えていることです。司法書士界の皆様のご理解・ご支援に敬意を表し感謝申し上げ、オピニオン・リーダーとして次の時代のより良い社会保障システムの実現にご尽力くださいますようお願い申し上げます。 |
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「少子高齢社会」に加えて、社会保障の新たな阻害要因が…… これまで繰り返して、「少子高齢社会」が社会保障制度に及ぼす悪影響についてお知らせしてきましたが、今、社会保障の新たな阻害要因が急速に浮かび上がっています。それは、50万人を超える「無業者」の存在です。厚生労働省が9月10日に発表した労働経済白書によれば、2003年、15〜34歳の未婚者で仕事も通学もしていない「無業者」は52万人(推計)にのぼるということです。フリーターも217万人で過去最多となっており、無業者とフリーターを合わせると15〜34歳の世代の約8%にあたります。 白書は「経済社会の維持、発展という観点からも憂慮すべき問題」と指摘していますが、公的年金制度や健康保険制度に及ぼす影響も、非常に大きなものになるであろうことが推測されます。 中年・壮年世代が陥ってしまいそうなエア・ポケット 「経済状況は短期に好転する可能性があるが、少子高齢化は一朝一夕には改善されない。だから『自助努力』を……」とお勧めしてきたのを覚えておられる方も多いと思います。しかし現在前記のような状況を見ると、経済状況の改善はそう簡単にはいきそうもないように思えてきます。 現在の年金受給者層=高齢者世代は、日本の歴史の中で最も充実した社会保障の恩恵を享受しています。一方、若年世代は……勤勉な若者には気の毒な話ですが……「納めず(納められず)、受給できない」という傾向が強くなることは避けられないでしょう。 現役世代の中心である中年・壮年世代は、高齢者と若年の世代に挟まれてしまいました。「現在の高齢者を支えるために納めているのに、自分たちは受給ができないかも知れない」という不安が徐々に増大していくかも知れません。中年・壮年世代は二つの世代の狭間に生じたエア・ポケットに陥ってしまいそうに見えます。しかし、これはなんとかして回避しなければなりません。 自助努力のチャンスを最大限に活用してください。 司法書士の皆さんのような自由職能等の現役世代には、他の二つの世代にはない「自助努力」という大きなチャンスがあるのですから、ぜひそれを最大限に活用してください。 国民年金基金制度は、老齢基礎年金の上乗せ制度ですが、将来自分が受け取る年金を若いうちから積み立てる方式で、次の世代の拠出に頼らない自助努力の制度であることが最大の特徴です。加入時〜60歳まで掛け続け65歳から受給が始まりますが、終身受給が中心ですから、長寿であればあるほど年金受給のメリットが大きくなります。 国民年金基金の掛金は、加入時の年齢が若いほど低額で負担感は少なく、60歳までに納める掛金総額を見ても大きなメリットがあります。老後の不安が芽生える年代になってから加入しても決して遅くはありませんが、国民年金基金のメリットを十分に活かすためには、パワフルな若いうちに開始することを強くお勧めします。 今も次々と報道される年金関連の失態や好ましくないニュース、特に被保険者のものであるべき年金原資を巡る不誠実な取り扱いは、早急に厳しく是正され責任が追及されるべきです。しかし不信感だけを募らせて自分は何もしなければ、やがて何もしなかった結果が自分に戻ってきます。状況が好ましくない今だからこそ、自身の未来図を描く「自助努力」の早急な検討をお勧めします。 |
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