(第2回へ)平成14年4月以降新規加入者からの掛金の見直しについて(第3回へ)
(平成13年12月常務理事懇談会資料)

平成14年4月以降新規加入者から掛金を見直す理由について


年金制度の安定的な運営のために、その予定利率については、

 ・今後の国内外の経済(運用)環境の動向

 ・生保や簡保などの個人年金の予定利率の動向

見据えた検討が必要である。
 今後の国内外の経済の動向については、今後2〜3年は大変厳しい状況にあり、必ずしもはっきりした見通しが立てられる状況にない。
 生保や簡保の予定利率については、平成 5 年までは国民年金基金と同じ5.5%であったのが、その後運用環境の変化に対応して1年、あるいは2年おきに引き下げられ、生保が本年4月から、簡保が7月から、いずれも従来の2%から0.5%引き下げられ1.5%とされている。
 また、国民年金基金は財政方式として完全積立方式をとっている。完全積立方式は、個々の加入員の掛金を数十年以上の長期にわたり資産運用し、収支均衡バランスをとることを前提としていることを考慮すれば、その予定利率は、長期的変動リスクに配慮して、保守的(低めの)水準であるべきとされている。
 これらの事情等を踏まえ、来年4月に予定利率を引下げ新しい掛金に移行するところである。
 なお、今回の改正は、将来の収支を均衡させる「財政再計算」でなく、予定利率だけを変え、新しい掛金表のための規約の変更だけをする「変更計算」である。
 (今回の予定利率変更についての加入員、加入希望者、その他の関係者に対する説明)
 「既に、国民年金基金と類似の商品である生保や簡保の予定利率が1.5%に引き下げられたので、国民年金基金についても今回引き下げることとした」

予定利率設定の考え方について


最近の厳しい運用環境の下で、基金と類似の個人年金商品を提供している生命保険や簡易保険においては、本年度から予定利率を
2%から1.5%に引き下げるなどの動きが広がっている。昨今の運用市場の低迷を踏まえると、基金のみが高い運用利回りをもとに国民に有利性を訴えるのが果たして適当なのかという問題もあり、基金の予定利率についても引き下げる方向で考えたところである。
 今後3年間程度という中期で見た場合の収益率の見通しとしては、連合会のコンサルタント機関、民間運用機関の見通しを踏まえ、年率3%(運用報酬等控除後)程度になると予想される。
 一方、加入者や受給者のために制度を安定的に運営していく上では、毎年一定の加入員が確保され将来の加入員規模も一定水準に保たれる必要があるが、予定利率を大幅に引き下げた場合、掛金の引上げ幅もそれだけ大きくなり、安定的な運営に影響が大きい。よって、予定利率を一気に大幅に引き下げることは難しく、これまでの引下げも徐々に行ってきている。また、生命保険、簡易保険の予定利率も一気にではなく徐々に引き下げられてきている。
 以上を総合的に勘案して、予定利率を3%とすることとしたい。
  (参考)生命保険.簡易保険の個人年金の予定利率

生命保険

簡易保険

生命保険

簡易保険

平成53月まで

5.5%

5.5%

平成84~

2.75%

2.75%

平成54~

4.75%

同上

平成114~

2.0%

2.0%

平成64~

3.75%

3.75%

平成134~

1.5%

1.5% (7月から)

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