平成15年

2002年
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少子高齢社会だからこそ、司法書士年金。(1月号から4月号まで)
2004年
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少子高齢社会だからこそ、司法書士年金。(5月号から6月号まで)
少子高齢社会に立ち向かうために。(7月号から9月号まで)
少子高齢社会に正面から立ち向かう。(10月号から12月号まで)
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(2003年1月号から4月号まで掲載)
少子高齢社会だからこそ、司法書士年金。

●「04年年金改革」は、厚生年金に厳しい試算

 2002年12月初め、厚生労働省は04年年金改革に向け、たたき台を発表しました。これによると論点は厚生年金に集中し、深刻化する少子化と高齢化に対応するために、相当厳しい見通しに立っていることが分かります。このような暗い話題は、世の中の「年金離れ」感情にますます拍車をかけてしまいそうです。
 しかしここで注意しておかなければならないことは、年金に対してどのような感情を抱こうとも、強制的・自動的に保険料が徴収される当の厚生年金の加入者=サラリーマンは、年金から離れることなどはないということです。むしろ危険なのは、自分で保険料を納付する「国民年金第1号被保険者」が年金離れを起こしてしまうことでしょう。情緒的な年金離れは未納者を増大させ、サラリーマンたちがやがて相当の「老齢基礎年金+老齢厚生年金」を受給しているときに、少ない納付期間に対応したわずかな基礎年金のみを受給するか、悪くすれば「無年金者」になってしまうこともあるのです。
報道等を注意深く読み取れば、傾向はむしろ、世代間扶養=賦課方式から、自助努力=積立方式へと軸足が移動していることに気づかれるでしょう。11月に開催された「国際年金セミナー」において、スウェーデンの専門家から紹介された「概念上の拠出建てによる賦課方式」などは、限りなく積立方式に近い拠出方式で、年金システムに新しい道筋を示したものと言えます。

●国民年金基金は状況を先取りしています。

 国民年金基金は状況を先取り……、もちろんこれは、「結果的に『先取り』となっている」ということですが、わが国の年金は、今後ますます自助努力・自己責任へと傾いていくと考えられます。すでにサラリーマンにも導入されている「確定拠出型年金」はその先駆けでしょう。遠からず、自助努力をした人としなかった人の格差がはっきりと現れるときが、必ずやってきます。
 ところでこの自助努力は、若いときから始めるのが有利であることを繰り返し述べてきました。若い人ほど老後に関心がないのですが、最近のテレビ、新聞、雑誌などで繰り返される「高齢社会、長寿化、長い老後」の話題に触れれば、もはやこれまでのように無関心ではいられなくなってきます。特に、若くして司法書士になられた方ほど厚生年金や共済組合に縁が薄く、老後の年金にはすでにビハインドが大きいわけですから、もし少しでも関心を持たれたら、すぐに当基金へお問い合わせくださることを強くお勧めします。年金に関するどんなことでもご相談ください。

【第4回代議員選挙結果のお知らせ】
代議員会は司法書士国民年金基金の議決機関ですが、このたびの選挙の結果、次のとおり代議員が決定しました。今回は、従来3年であった任期を母体である日司連と一体的な事業運営を行うため2年と改めた(平14.11.13改正)ことに伴い、任期は調整期間として1年となっています。
司法書士国民年金基金代議員
【平成14年12月16日当選公示  任期/平成15年4月1日〜平成16年3月31日】
小寺信一(札幌司法書士会)吉田信(福島県司法書士会)安沢吉昭(東京司法書士会)林勝博(愛知県司法書士会)迫田博幸(兵庫県司法書士会)高木保男(広島司法書士会)池田誠治(愛媛県司法書士会)浦川一孝(長崎県司法書士会)細田長司(高知県司法書士会)石井利三(神奈川県司法書士会)
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(2003年5月号から6月号まで掲載)
少子高齢社会だからこそ、司法書士年金。

● 司法書士年金の加入員が、5,000名になりました。

 平成3年(1991)8月に司法書士国民年金基金が設立されて以来、加入員の5,000名達成はひとつの大きな目標となっていましたが、平成15年3月末、これを達成することができました。
 司法書士会員の皆様の場合は、兼業されている職能の国民年金基金に加入するケースもあります。このため、専業及び司法書士職にウエートを置かれる方を司法書士年金加入の基礎人口として考えると、5,000名を達成したことには大きな意義があり、将来の展望を支える強い力となります。

● 厳しい状況に対処するためにも、今、着実な自助努力を。

日本の少子高齢化の深刻な課題は、「人口は間もなく減り始めるが、それは子供がますます少なくなるためで、高齢者はあと40年は増え続ける」ということです。
仮に出生率が急速に改善しても、新生児が社会の中心を担う世代になるには相当な年月が必要ですから、日本の世代構成のアンバランスは当分は厳しいことを認識しなくてはなりません。ですから「相互扶助・世代間扶養」の公的年金が、国庫負担分を引き上げたり給付減の検討を進めたりするのは、避けられないこととして受け容れざるを得ないのでしょう。
 少子高齢問題と平行して、低迷する経済状況が日本の社会に大きな影を落としています。マスコミ等ではそれらをひとまとめに論じることが多いため、人々の年金に対する情緒的な萎縮が進んでいるように見えます。しかし経済状況は、低迷が続く可能性も短期的に好転する可能性もあり、人口問題とは互いに影響し合ってはいますが、基本的には別の問題です。
 難題である人口問題が相互扶助・世代間扶養のシステムに大きな影響を及ぼしているからこそ、誰でも必ずやってくる「老後」のために必要なのは、今、着実な自助努力を始めることです。経済は好転したが自助努力を始めるには遅すぎる年齢に達していた、ということにならないためにも、できる範囲のことから始めていただきたいと思います。積立方式の司法書士年金では、自助努力の第一歩として、掛金額が有利な若いうちにまず基本の一口目に加入されることを、強くお勧めしています。

【司法書士年金の新役員が決まりました。】
平成15年4月17日に開催された司法書士国民年金基金第27回代議員会(役員選挙代議員会)で、新役員が選出されました。
■司法書士国民年金基金役員■任期:平成15年4月24日〜平成16年4月23日
理事長  本島 美彦 (学識経験理事・東京司法書士会)
常務理事 佐々木一郎 (学識経験理事)
理 事  小寺 信一 (基金代議員・札幌司法書士会・北海道ブロック推薦)
理 事  安沢 吉昭 (基金代議員・東京司法書士会・関東ブロック推薦)
理 事  細田 長司 (基金代議員・高知県司法書士会・日司連推薦)
理 事  石井 利三 (基金代議員・神奈川県司法書士会・日司連推薦)
監 事  浦川 一孝 (基金代議員・長崎県司法書士会・九州ブロック推薦)
監 事  樋川 和 (学識経験監事)
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2003年7月号から9月号まで掲載)
少子高齢社会に立ち向かうために。

●深刻化する少子高齢社会の影響

2003年6月17日、厚生労働省の社会保障審議会の意見書と政府税制調査会の中期答申が相次いで報道されました。いずれも少子高齢社会の急速な進行を背景にまとめられたものですが、両者を合わせて簡単に要約すると、高齢者に対する給付を抑制、育児等の現役世代を支援し世代間の不公平を是正する、公的年金の課税対象を拡大する、消費税を引き上げる……等というものです。
この半月前の6月5日に厚生労働省は人口動態統計発表しましたが、これによると2002年の「合計特殊出生率」1.32となり、戦後最低記録をさらに更新してしまいました。これらを総合して考えると、日本の社会は少子高齢社会の進行の勢いが止まらず、社会保障に関する財政収支の悪化がついに一定の限度を超えてしまった、ということになるのでしょう。
 このコーナーではたびたび、短期的な経済状況と少子化問題は基本的には分けて考えるべきだとお伝えしてきました。経済状況が好転しても若い世代の数が突然に増えるわけではないからです。しかし冒頭のような今回の政府の方針からは、少子化が引き起こした財政難への対策は給付の抑制と増税で、おそらく消費が低迷して不況をさらに深刻化させ、結局それが少子化に拍車をかけてしまうだろうという悪循環の可能性を、否応なく感じてしまいます。

●相互扶助と公的年金の問題

戦後急速に成長してきた経済とともに、日本の社会はこれまでに経験したことのない「長寿社会」を迎え、社会保障も目ざましい充実を遂げてきました。相互扶助・世代間扶養はより良い社会を求めるための優れた理念でした。しかし一方、豊かになるとともに育児のコストも上昇しました。少子化の趨勢は1970年代から始まっていますが、今問題なのは、往時と異なり不況下で少子化が下げ止まらないということです。この傾向が続けば相互扶助・世代間扶養をやがて窒息させてしまう重大な要因となります。高齢世代は自分たちの蓄えを受給しているのではなく、現役世代からの「仕送り」を受給しているからです。この仕送りが少子化のために困難になるから受給を抑制し増税を図る、というのは、極めて無念な策ですが、これを避けることはできないのでしょうか。

●少子高齢社会を見据えて、立ち向かう

それが避けられないのなら、自分でできる防衛策を講じるしかありません。その一つは、相互扶助・世代間扶養に頼らず、自分たちの蓄えを年金として受給する「積立方式・自助努力」型を真剣に検討してみるという方策です。そしてこれは、着手が早ければ早いほど有利です。
国民年金の上乗せ部分として創設された国民年金基金制度は、当初はサラリーマンのような手厚い年金、豊かな老後の設計を目標としてきましたが、現在ではむしろ、豊かさの実現ではなく、自己防衛策の数少ない重要な選択肢の一つとして注目されるようになりました。
残念ながら国民年金基金もこれまでに2度、運用利率を引き下げ掛け金を引き上げざるを得ませんでした。銀行や生保の状況は100%確実なものがもはや存在しなくなったことを感じさせます。これからの経済状況如何では、やがて国民年金基金も再度の掛金改定が避けられなくなるのかも知れません。しかし手を拱いて何もしなければ、相互扶助で老後に得られるものは極めて小さなものになってしまうでしょう。少子高齢社会の現実を見据えてそれに立ち向かい、地道でもより堅実な防衛策の努力を自分自身で続けることが、今のような状況だからこそ、極めて重要なことだと考えます。
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2003年10月号から12月号まで掲載中)
少子高齢社会に正面から立ち向かう。


●急速に進む日本の「超」高齢化

 “敬老の日”に合わせて総務省が発表した65歳以上の高齢者人口の推計は、2003年9月15日現在、「2431万人」でした。これは昨年より71万人の増加で、総人口に占める割合も19.0%となり、人口、割合ともに過去最高を更新しています。日本の5人に1人が高齢者ということです。この2431万人のうち、女性は1405万人(女性人口の21.5%)、男性は1026万人(男性人口の16.5%)と、初めて男性も1000万人を突破しました。
 高齢者の人口は、これから徐々に「団塊の世代」が加わっていくため、しばらくの間増え続けます。2015年には3277万人、26.0%に増えると推定されており、4人に1人が高齢者となります。
 ちなみに、諸外国の高齢者の人口比率をみると、イタリア=18.2%、ドイツ=17.1%、フランス=16.1%、イギリス=15.9%、米国=12.3%、となっており、主要国の中では日本が最も高い高齢化率を示しています。

●少子化との複合による深刻な課題

 ギネスブックにも認定されている世界最高齢者の鹿児島の女性は、今年116歳です。男性の最高齢者も福岡の114歳の方です。このように、日本は世界に誇れる最高の長寿国です。しかし長寿による高齢者の増加ならまだしも、日本では急激な「少子化」が進行していることが、上記の高齢者比率を押し上げる最大の要因となっています。昨年の合計特殊出生率は「1.32」と、さらに低下してしまいました。一時少子化が問題視された米国などでは、現在では「約2」まで回復しましたが、日本はスペインなどと並んで、最低ランクの出生率です。
 このまま進めば間もなく、生産年齢人口(15〜64歳)のほぼ2人で1人の高齢者を支えるという、深刻な社会構造になることが懸念されています。

●少子高齢社会は避けられない課題。

 このようにいくら現状を考察しても、少子化がすぐに改善されることはありません。今年から急に出生率が高くなっても、その子どもたちが成長するのは十数年先のことですから、当分は厳しい状況が続きます。少子高齢社会が避けられない現実なら、正面から立ち向かうしかありません。
 少子高齢社会によって最もダメージが大きいのは、相互扶助・世代間扶養の公的年金です。それにマスコミの情緒的なリードが加わって若い世代の国民年金未納者が増加するなど、後ろ向きの傾向がしばしばクローズアップされていますが、その一方で、「現実的に対応しなければ本当に大変なことになる」という認識もじわじわと広がっているようで、最近は、わずかながらマスコミの論調が変化し始めていることを感じます。
 そしてその「現実的対応」の中でも、「自助努力・積立方式」の国民年金基金のようなシステムが、一段と重視されるようになってきました。
 前回も述べましたが、国民年金基金もこれまでに3度、残念ながら運用利率を引き下げ、掛け金を引き上げざるを得ませんでした。現在の経済状況、そしてこれからの状況の変化如何では、やがて国民年金基金も再度の掛金改定が避けられなくなるのかも知れません。しかし手をこまねいて何もしない、あるいは現実を直視することを避けて問題解決を先送りしてしまえば、私たちを取り巻く状況も、自分自身の将来の状況も、さらに悪化していくでしょう。少子高齢社会の現実を見据えて、それに立ち向かい、地道でもより堅実な防衛策の努力を速やかに自分自身で開始すること、それが今もっとも優先しなければならないことだと思います。

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